2008年、燃費に関心が集まる中、個性的なコンパクトカーの人気が上昇。Motor Magazine誌では、3台の魅力的なモデルをピックアップ。2008年2月に登場した限定車フォルクスワーゲン ポロGTI カップエディション、2007年10月の東京モーターショーでお披露目されたヒュンダイi30、そして小さな高級車と言われたルノー ルーテシア イニシアルパリの3台だ。今回はその比較試乗を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年4月号より/タイトル写真はポロGTI カップエディション)

Bセグメントスポーツの完成型といえるポロGTI

まず試乗したのは日本に上陸したての限定車、ポロGTIカップエディション。このモデルについて、おことわりしなければならないことがある。それは先月号(2008年3月号)の記事で「欧州スペック」のGTIカップエディションをご紹介したが、導入された日本仕様は180psではなくノーマルのポロGTIと同じ150psエンジンが搭載されている。これはフォルクスワーゲンの販売戦略上の決断なのだろうが、とんがった「カルトカー」の範疇に入れたくないという思いがあったのかもしれない。

ポロは登場年次は古いが熟成が進み、とりわけ5速MTのみのGTIは、もはや「Bセグメントスポーツの完成型」と呼ぶにふさわしい仕上がりだ。この日本版カップエディションはレッドが50台、ブラックが150台の合計200台(4ドアのみ)が限定販売される。試乗車はレッドでルックスはその名の通りカップカーのイメージだ。

走り出すと1.8Lのターボエンジンは低速域から立ち上がる豊かなトルク特性のため、ルーズな運転も可能。市街地では3速に入れっぱなしでこと足りる。クラッチ踏力も軽くストレスはまったくない。このあたりがムカシのスポーツモデルと異なるところだ。なにより清々しいのが車体サイズ。ゴルフに比べひと回り以上(全長で約30cm、全幅で約10cm)小さいのがいい。

そしてひとたび高速道路、あるいはワインディングロードに入れば、まさしく牛若丸のように俊敏に反応してくれるのが最大の美点。乗り心地は硬めに締め上げられているが不快感はない。この絶妙なチューニングは元祖GTIのメーカー、フォルクスワーゲンならではだろう。カップエディションはノーマルGTIの33万円高の288万円のプライスタグが付く。

画像: 2008年2月に200台限定で登場したフォルクスワーゲン ポロGTI カップエディション。

2008年2月に200台限定で登場したフォルクスワーゲン ポロGTI カップエディション。

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