地球環境保全の一環として乗用車の排出ガス中の二酸化炭素削減が、世界の自動車メーカーの大きな経営課題となっている。その解決策がパワートレーンを電動化する次世代車だが、どうにも普及率が低調なままだ。その理由は何なのだろうか。
次世代車の普及の進まなかった原因のひとつとして、需要に対して供給が追いついていない点も挙げられる。5月に発売されたトヨタ RAV4 PHVは人気のあまり、2020年生産予定台数を1カ月弱で売り切り、2020年11月現在では受注を停止している。この原因は、搭載するためのバッテリ—が足りないからだと言われているが、その生産能力増強のための投資は難しい事情があるようだ。
駆動用バッテリーの研究開発が進み、現在の主流であるリチウムイオン電池の先の技術として全固体電池の登場が控えている。数年以内に実用化されると目論まれているため、いくら現行モデルの受注が好調でもリチウムイオン電池のための投資は難しいのだろう。今後、生産能力を高められた全固体電池の実用化にめどが立てば、次世代車の拡販にもつながると考えられる。