地球環境保全の一環として乗用車の排出ガス中の二酸化炭素削減が、世界の自動車メーカーの大きな経営課題となっている。その解決策がパワートレーンを電動化する次世代車だが、どうにも普及率が低調なままだ。その理由は何なのだろうか。

次世代車のエネルギーは電気や水素だが、その補給ポイントが少ないことも要因のひとつだ。

近年はガソリンスタンドの閉店が相次いでいて、資源エネルギー庁の統計によると2019年3月時点で約3万カ所にまで落ち込んでいる。

対する充電スタンドはGoGoEVの最新データによれば普通充電、急速充電を合わせて約2万カ所に上る。しかも設置場所はカーディーラー、コンビニ、道の駅、大型ショッピングセンターなどドライブ先であることが多く、充電スタンドを探す手間はかなり少なそうだ。ただし急速充電スタンドは8000カ所弱と少なく、EVに満充電をするには自宅に充電設備を設置する必要があるだろう。

FCVの水素ステーションの設置数は全国的にもまだ少なく、一般社団法人次世代自動車振興センターの統計によれば2020年8月時点で133カ所に留まり、内訳は首都圏で51カ所、中京圏37カ所、関西圏16カ所、北部九州圏13カ所、ほか地域16カ所だ。FCVは、大都市圏以外での運用が厳しい実態といえる。

次世代車のエネルギー供給地点として、数だけを見れば一番普及しているのは充電スタンドで、ガソリンスタンドの70%近くにまで設置数が増えている。今後の次世代車の主役はEVになるであろうと予測できる。(文:猪俣義久)

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