2020年のスポーツカー&スーパーカーカテゴリーは、フルモデルチェンジされたモデルの来日こそ少なかったものの、劇的な進化や魅力的な追加モデルが続々。話題性には事欠かない1年となった。(Motor Magazine2021年2月号より)

英国勢の多彩で刺激的な進化にも魅了された

アストンマーティンは、ブランド史上最速のコンバーチブルと称賛されるDSBスーパーレッジェーラ ヴォランテを追加設定。しなやかさの中に力強さを秘めたスタイリングと、ワインディングロードを安心して楽しめる身のこなし、きわめて快適な高速クルージング性能に魅了された。ヴァンテージの7速MTモデルも、大胆不敵で興味深い存在だった。

ベントレーはコンチネンタルGTにV8を追加。W12とあわせて2タイプから選べるようになった。パワー感や威厳といった部分ではW12が上だが、軽快感やスポーティ性ではV8が優位。ギアボックスとのマッチングがいいのも、V8モデルの魅力である。

マクラーレンGTの登場も印象的だ。メカニズムの多くは他モデルと基本的に共通だが、エレガントなデザインと快適な乗り心地で人気を博している。

ルノー傘下のアルピーヌはA110の上級モデルとしてA110Sを追加。1.8Lターボエンジンは40ps上乗せされて292psを生み出すが、それ以上に注目されるのがサスペンションの強化。その恩恵はサーキット走行時のスタビリティとなって確実に享受できるものの、A110のあのしなやかさが失われたかと思うと残念。ただし、A110との価格差が100万円を切っていることもあり、現時点ではA110Sの方が人気という。

さて、コロナ禍に翻弄された2020年も間もなく幕を閉じる。2021年はどうなるのか?スポーツカーの世界でも電動化が着実に進む。2021年はそうしたモデルが次々と登場するが、中でも期待されるのはアウディeトロンGTとフェラーリSFストラダーレの2台である。eトロンGTはポルシェタイカンと共通のプラットフォームを用いるが、これをベースにアウディがどんなふうに味つけし直すかが楽しみ。

一方、フェラーリのカタログモデルとして史上最高のパフォーマンスを誇るSFは、ホンダNSXとよく似た3モーターハイブリッドシステムによりヨーコントロールを「電動化」。ドライビングダイナミクスをコンピューターが制御することになる。NSXとの味付けの違い、そして1000psのパフォーマンスを早く体験してみたい。いずれにせよ、2021年は平和な1年となることが望まれる。(文:大谷達也)

画像: 2018年に日本上陸を果たしたDBS スーパーレッジェーラ(クーペ)は、DB11をベースとした高性能モデルとして誕生した。搭載される5.2LのV12ツインターボは最高出力725ps、最大トルク900Nmを発生。0→100km/h加速は3.4秒の俊足を誇る。2019年には流麗なオープントップモデル「ヴォランテ」を追加設定。普段は快適なGTカーだが、サーキットなどでは驚異的なハンドリングマシンに変身する。

2018年に日本上陸を果たしたDBS スーパーレッジェーラ(クーペ)は、DB11をベースとした高性能モデルとして誕生した。搭載される5.2LのV12ツインターボは最高出力725ps、最大トルク900Nmを発生。0→100km/h加速は3.4秒の俊足を誇る。2019年には流麗なオープントップモデル「ヴォランテ」を追加設定。普段は快適なGTカーだが、サーキットなどでは驚異的なハンドリングマシンに変身する。

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