2022年もさまざまなニューモデルが登場し、市場を盛り上げてくれたが、2023年にはどんな魅力的なクルマが日本へと導入されるのだろうか。(文:大谷達也)

さらに充実していくBEVのラインナップ

メルセデス・ベンツのBEVサブブランドであるメルセデスEQからは、EQSやEQEと同じBEV専用プラットフォームを用いた2台のSUVV、EQS SUVとEQE SUVがデビューする。

画像: メルセデスEQ EQS SUV。と足先に日本導入されたメルセデスEQのラグジュアリーモデルEQSとEQEに続き、そのSUV版であるEQS SUV(写真)とEQE SUVが導入見込み。EQS SUVは5125×1959×1718mmというフラッグシップに相応しいボディサイズで、3列シートやオフロードモードを備えている。

メルセデスEQ EQS SUV。と足先に日本導入されたメルセデスEQのラグジュアリーモデルEQSとEQEに続き、そのSUV版であるEQS SUV(写真)とEQE SUVが導入見込み。EQS SUVは5125×1959×1718mmというフラッグシップに相応しいボディサイズで、3列シートやオフロードモードを備えている。

バッテリー容量はそれぞれ107.8kWhと90.6kWh。全長はEQS SUVが5125mmでEQE SUVが4863mmと262mmの差がある。2台ともアメリカのタスカルーサ工場で生産される計画だ。

アウディは単にeトロンと呼ばれていたBEVのマイナーチェンジを実施するとともに、モデル名をQ8 eトロンに改めると発表した。「Q8」を名乗ることでSUV系BEVのフラッグシップモデルであることを鮮明にすると同時に、シングルフレームグリルとその周囲のカラーを反転させたeトロンGTと共通のデザインを採用し、eトロンシリーズの一員であることを明確にしている。

全車4WD=クワトロとなるパワートレーンは、340ps/664Kmの50eトロン、408ps/664Nmの55eトロン503ps/973NmのSQ8 eトロンと3タイプを用意。バッテリー容量は、50eトロンが95kWhで、55eトロンとSQ8 wトロンが114kWhとなっている。

BMW iX1はX1のBEV版、フォルクスワーゲンID.BUZZはID.4と同じMEVプラットフォームを用いたミニバンだ。

一方、ボルボの新たなフラッグシップモデルとして誕生するのがEX90。BEV専用モデルのEX90は、SPA2と呼ばれる新プラットフォームを採用。当初販売されるのは111kWhのバッテリーと517ps/910Nmのモーターを組み合わせた4WDモデルとなる。LiDARを装着するなど、最先端の運転支援システムを搭載していることも注目ポイントのひとつだ。

ロールスロイスからは初のBEV、スペクターが誕生。静粛性が高くて滑らかな電気モーターは、ロールスロイスにとって理想的なパワートレーンであると同社は説明する。2ドアクーペのスペクターはファントムクーペの後継モデルで、最新のファントムなどと同じ「アーキテクチャーオブラグジュアリー」を採用。最高出力は585psで航続距離は約520kmとなる見通しである。

アベンジャーもジープにとって初のBEV。全長は4.08mとコンパクトながら、ジープの名に恥じない悪路走破性を備えているのが特徴である。

電動化が進む中でもまだまだ純ICEスポーツカーが登場

電動化を積極的に進めているランボルギーニは、パワートレーンをV12+ハイブリッドとしたアヴェンタドールの後継モデルを23年に発表する予定だが、「ベイビーランボ」たるウラカンもモデルライフの最終章に入った。

画像: ランボルギーニ ウラカン テクニカ。ランボルギーニのV10自然吸気エンジンの集大成となるウラカン テクニカは、ウラカンシリーズの最終進化形。640psを発生する5.2L V10自然吸気エンジンをリアミッドに搭載し、後輪駆動で操る楽しさを追求、ファントゥドライブを実現。

ランボルギーニ ウラカン テクニカ。ランボルギーニのV10自然吸気エンジンの集大成となるウラカン テクニカは、ウラカンシリーズの最終進化形。640psを発生する5.2L V10自然吸気エンジンをリアミッドに搭載し、後輪駆動で操る楽しさを追求、ファントゥドライブを実現。

そのエピローグを飾るのがウラカン テクニカとウラカン ステラートの2台。このうち、テクニカ はウラカンSTO並みのパフォーマンスをシックなデザインで包んだカタログモデルとなる。一方、ウラカンの最終モデルとされるステラートは、なんと車高を高めたオフロードモデルとして登場したが、こちらは1499台のみが生産される限定車だ。

マセラティとフェラーリからは、相次いでミッドシップのコンバーチブルモデルが登場する。MC20チェロはグラスルーフを標準装備。ここにPDLCという技術を用いていることで、グラスルーフを透明と磨りガラス状に切り替えることが可能。MC20チェロ専用に細部を見直したエレガントなデザイン、それにクーペ譲りの快適な乗り心地も魅力的だ。

296GTSは、新開発V6エンジンツインターボエンジンのパワフルな走りで人気の296GTBをリトラクタブルハードトップ仕様に改めたモデル。296GTBがすでに完売とされるので、こちらも早めにディーラーを訪れたほうがいいだろう。

タイプ992のポルシェ911としては最後の大物となる911GT3 RSも年に日本上陸を果たす。強力なダウンフォースがどんな走りをもたらすのか、興味津々だ。もう1台の911カレラTはカレラとカレラSの中間に位置するモデル。エンジンはカレラと同じ最高出力385psながら、リミテッドスリップデフやOASMスポーツサスペンションを標準装備。バランスのいいスポーツドライビングが楽しめそうだ。

そのほかにもアウディR8の最終モデルとなるV10 GT RWD、アルピーヌA110R、シボレー コルベットZ、ポルシェ911ダカール、ベントレー バトゥールと新型車が目白押しだが、これらとともにとくに注目したいのがBMW M2とマセラティ グラントゥーリズモだ。

BMW M2はひと足先に新型へとモデルチェンジした弟分のM240iの完成度がすこぶる高かったので大いに期待したい。

さらに楽しみなのが、フルモデルチェンジを受けるグラントゥーリズモ。そのシンプルなデザインは最新のマセラティらしく緻密で洗練されている。しかも、ラインナップはエンジン車とマセラティ初のBEVとの2本立てで、エンジン車はMC20と共通のV6ネットゥーノエンジンを採用。フォルゴーレと呼ばれるBEVは408psのモーターを3基搭載してヨーモーメントを制御するというから、なんとも刺激的である。(文:大谷達也)

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