3ペダルで運転する喜びを再認識「ポルシェ 911 S/T」── 西川 淳
2023年は国際試乗会もコロナ前とほぼ同じペースで開催されるようになり、そのぶん東京⇔京都の往復テストは計30台あまりと22年より少し減らしたが、それでもスーパー&ラグジュアリーを中心に大いに乗りまくった一年だった。3ペダルで運転する喜びを再認識
印象に残ったモデルとして年初のフェラーリ プロサングエか秋のポルシェ911S/T、どちらを選ぶかで悩んだが、この時代に3ペダルで運転する喜びを再認識させてくれたという点でS/Tに軍配を挙げた。GT3 RSと対極にある911。オーダーできた人が羨ましい。
西川 淳が2024年に期待する1 台「ロータス エメヤ」
24年はどうか。フェラーリやランボルギーニの新型モデルも気になるところだが、新生ロータスブランドの中核を担う2モデル、エレトレとエメヤの乗り味にも興味はつのる。フル電動のラグジュアリーカーへと変身し、果たして老舗ブランドの新たな個性を表現できているのかどうか。
高級車の未来を占ううえでも、またいちロータスファン(といってもクラシックだが)としても、注目したい。
驚異的な速さと快適さを感じさせてくれた「マクラーレン750S」── 山崎元裕
自動車というものは、フルモデルチェンジやマイナーチェンジ、あるいはそれまでにはなかった、まったくの新型車を誕生させることで進化を続けてい
く。
2023年にそれをもっとも強く感じたのは、マクラーレンが720Sにさらなる進化を施した750S。それはあたかも異なるクルマであるが如く、驚異的な速さと快適性を感じさせてくれた。
山崎元裕が2024年に期待する1台「ヒョンデ アイオニック 5 N」
一方24年に期待したいのはヒョンデのIONIQ 5 N。Nは同社のBEVブランドIONIQの中でもスポーツモデルに与えられる称号で、そのスタイリングもIONIQ 5がベースではあるものの、ワイド&ローにリニューアルされたそれは、あきらかに雰囲気が異なる。
前後に搭載されるモーターはフロントに223ps、リアは378psの最高出力を発揮。ドライブモードは「ノーマル」と「スポーツ」、そしてステアリングホイール上のスイッチで選択できる「N」モードの3タイプ。
BEVは環境性能を向上させるためだけにあるのではない。それがヒョンデからのメッセージだ。