さまざまな縛りがある現代のクルマにおいて、驚異的な車両重量を実現したアルピーヌA110とマツダロードスター。この2台がこだわる「軽さ」は、楽しいスポーツモデルの条件のひとつである。(MotorMagazine 2024年6月号より再構成)

2LエンジンでGT的な走り、幌屋根ではないロードスター

RFは樹脂製トノカバーの左右端にバットレスを設けることによってファストバック的なフォルムを形成しているが、見る人によってはかつてのイタリアンスーパーカーによくみられたトンネルバック的なところを思い浮かべるかもしれない。

画像: スイッチひとつで開閉できるルーフ。

スイッチひとつで開閉できるルーフ。

画像: ロードスターRFに搭載されるのは、2L直4のスカイアクティブG。幌モデルが1.5Lなのに対して、排気量のアドバンテージで車重増加分を十分以上に補う。

ロードスターRFに搭載されるのは、2L直4のスカイアクティブG。幌モデルが1.5Lなのに対して、排気量のアドバンテージで車重増加分を十分以上に補う。

屋根の開閉に要する時間は13秒。10km/h以下であれば走行中も開閉可能。ボタンひとつで事が済むという利便は代えがたいが、件のバットレスが斜め後方視界を遮ることもあり、開放感という点は幌屋根に及ばない。

また、幌屋根は使い勝手もよく練られており、手の長い男子なら片手でも開け閉めに困らない。

では見た目の違いや開閉の気安さ以外に、RFのメリットは何があるか。それはクローズ時の遮音性の高さだ。とくに中高速域になると、キャビン環境は幌屋根とは一線を画する。

その遮音性をさらに活かすのが今回取材車として選んだ6速ATの使用回転域だ。6速100km/h走行時の回転数は2000rpmを切り1800rpm付近と、ロードスター随一のワイドな設定となる。

当然ながら静粛性にも燃費にも効くわけだが、そこから緩い加速を求めてもきちんとレスポンスするのは、車重に加えてRFのみに与えられた2Lユニットの豊かなトルクのおかげだろう。

ちなみに最上級グレードとなるVSの6速ATの車重は1130kg。幌屋根の上級グレードと比べての増量は約100kgだ。

無論、一番重いロードスターとなるわけだが、パワーウエイトレシオは幌屋根よりも小さい。その力感をGT的なゆとりとして用いることもできるわけで、そうなると6速ATの利もより立ってくる。

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