ランボルギーニの電動化は単なる「時代対応」ではない。ウルス SEに搭載されたプラグインハイブリッド(以下、PHEV)システムは、静かでスムーズな街乗りと爆発的なパフォーマンスを両立。EVモードの利便性とV8エンジンの咆哮がもたらす非日常。このふたつを自在に操る歓びは、これまでのどんなSUVにもなかった。リアルな日常でスーパーSUVの真価を検証する。

電動化してもランボルギーニは夢を失わない

画像: ガヤルドを想起させるテールライトグリルやY字のテールライトを採用し、よりスポーティな印象になった。

ガヤルドを想起させるテールライトグリルやY字のテールライトを採用し、よりスポーティな印象になった。

さて、そんなウルスSEをついに日本の公道で試乗する機会を得た。今回の主眼は、リアルな日常での使い勝手や、EVモードの実用性を確かめることにある。

試乗車を東京・御殿山で受け取り、エンジンスタートボタンを押してパドルシフトを引くと、従来のウルスのような爆音ではなく、静かに電気の力で走り出す。

走行モードはデフォルトの「ストラーダ」。首都高に乗り、レインボーブリッジを越えて湾岸線を目指す。朝の混雑を避けた時間帯だったこともあり、湾岸エリア特有の広々とした視界のなか、静かなるランボルギーニが滑るように走る感覚は、新鮮そのものだった。

静粛性の高さはタイヤとボディ両面の工夫によるものだ。ピレリのEV走行も考えて開発した専用タイヤはロードノイズを抑え、ボディの遮音性能の高さとあいまって、驚くほど穏やかな移動体験を実現している。

この穏やかさは、オーディオ環境にも恩恵を与えてくれる。Bang & Olufsenの高音質サウンドが楽しめるのはもちろん、同乗者との会話も自然と弾む。今やBEVでは当たり前となったこの感覚が、ウルスでも体験できるのは感慨深い。しかも、モードを切り替えれば一瞬で「いつものウルス」へと変貌するのだから。

22インチホイールに前285/40、後325/35というタイヤを装着しながらも、乗り心地は快適そのもの。エアサスペンションの設定が巧みで、都内の舗装路から首都高の継ぎ目まで、突き上げ感なくしなやかにいなしてくれる。ブレーキ性能も上々で、2.5トンに迫る車重をまったく意識させない強力な制動力を持っている。

気づけば20km以上もEVで走行していた。バッテリーゲージは2目盛り減っただけ。計算上はおよそ80kmに迫るEVレンジがあるようで、通勤などの日常使いなら電動走行で十分に用が足りる。また、その静かさは、住宅地や深夜の帰宅時などでも、非常に現実的なメリットだ。

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