ランボルギーニの電動化は単なる「時代対応」ではない。ウルス SEに搭載されたプラグインハイブリッド(以下、PHEV)システムは、静かでスムーズな街乗りと爆発的なパフォーマンスを両立。EVモードの利便性とV8エンジンの咆哮がもたらす非日常。このふたつを自在に操る歓びは、これまでのどんなSUVにもなかった。リアルな日常でスーパーSUVの真価を検証する。
「日常」と「非日常」を自在に行き来する

センターディスプレイなどが大型化されたウルスSEのインテリア。センターコンソール上の「タンブロ」と呼ばれる個性的なセレクターは左からドライブモード、シフト、EVモードとなる。
試乗の後半、「スポーツ」モードに切り替える。すると、メーターデザインが変化し、エンジンが勢いよく目覚める。力強いアイドリング音はまさにランボルギーニの魂を感じさせる。
ドライブモードを「ストラーダ」と「スポーツ」そして「コルサ」まで切り替えることで、まるで3台分のキャラクターが楽しめるのがウルスSEの魅力だ。このほかにも雪上やオフロード用に「ニーヴ」「サッビア」「テラ」まで用意しているのはSUVならでは。
そして、SEで追加されたEVモードセレクターも見どころのひとつ。ストラーダでは「ハイブリッド」「リチャージ」「パフォーマンス」が選べ、スポーツでは「リチャージ」「パフォーマンス」が選択できる。モーター出力を最大限に活かした「パフォーマンス」では、最大出力800psを解放。まさにスーパースポーツカー顔負けの加速フィールが味わえる。
近年のスーパースポーツカーは「運転しやすさ」もキーワードとなっているが、SUVであるウルスはさらに敷居が低く、アイポイントが高く視界も良好。加えて後輪操舵も備わっており、都市部でも取り回しで苦労することもない。高性能を日常に落とし込む絶妙なバランス感覚が、このモデルにはある。それも人気の理由のひとつだと実感した。