燃費実測17.7km/L、実用域で光るハイブリッド性能

ロングドライブに慣れている人でもアイサイトの有無でその後の疲労感は大違い。ツーリングアシスト機能による先行車への追従走行は、加減速や車線中央維持も自然な制御で、ストレスなく高速道路を走ることができる。
燃費も見逃せない。首都圏の渋滞に巻き込まれつつ東京から岡崎サービスエリアまで約250㎞走った時点で、燃費計は17.7km/Lを表示。カタログ値に迫る数値を実際のロングドライブで示した。さらに、そこから大阪までノンストップで走り切っても、疲労感は驚くほど少ない。
その理由は多岐にわたる。スバルグローバルプラットフォーム(SGP)による高剛性ボディと抑えられた振動、全天候で安定をもたらすシンメトリカルAWD、骨盤を支える設計のシート、死角の少ない視界と運転支援システムなど。さらに、高速ではアイサイトXが疲労軽減に大きく貢献する。まさにスバルが掲げる「安心と愉しさ」を体現したモデルと言える。
かつて燃費面でスバルを敬遠していた人にも胸を張って薦められるし、希薄ながら大排気量ボクサーを思わせるフィーリングも味わえる。フォレスターよりコンパクトなボディは市街地やワインディングロードでの運転の愉しさに直結し、それがクロストレックならではの武器となっている。
大阪に到着後は休む間もなく取材・撮影をこなし、翌朝、再び都内へと戻った。せっかく大阪に来たのにまだ見ぬ大阪・関西万博観光はかなわなかったが(仕事なので当然ですが)、それでも「快適で安全な長距離移動を支える」というクロストレックS:HEVの価値は十分に体感できた。
街中でも、ロングドライブでも、変わらない安心感と運転の楽しさを提供してくれる。それがスバル車の最大の魅力に違いない、と今回の旅で確信した。(撮影:平野 陽)

改良版クロストレックの取材地となったのは大阪スバル城東店。近畿スバルグループの発信基地として、WRX S4の限定車S210を関西地区で初めて展示。さらに、「一つのいのち六甲山活性化プロジェクト」や「ライフセーバーカーの提供」などの社会貢献活動も行い、さまざまな形で活動している。