これぞボクらが求めるフォルクスワーゲン ゴルフの姿
2月号でお伝えしたように、昨秋、私はゴルフ8.5と呼ばれる最新型のフォルクスワーゲン ゴルフを、その故郷であるウォルフスブルグ周辺で試乗してきた。そこにも記したが、2024年はゴルフ誕生50年という節目だったわけだが、実は日本にとっては、今年2025年こそ、ゴルフ導入50周年という記念すべき年となる。
そのアニバーサリーイヤーに、いよいよ新型ゴルフが日本の道を走り始めた。そこで今回はゴルフeTSIアクティブ、そしてヴァリアントeTSIスタイルの2台でショートトリップに出かけた。さて、走り慣れた日本の道で、新しいゴルフは一体どんな印象をもたらしたのだろうか?
モデルチェンジの度に多くの話題を提供し、時に物議を醸してきたゴルフだが、改良前の通称ゴルフ8に対する批判は、ひと際厳しいものだと感じられた。矛先が向いたのは、まずはその操作系。デジタルコックピットプロ採用に伴いハードスイッチが減らされ、代わりに多くが静電容量スイッチに置き換えられたこと、インフォテインメントシステムの使いにくさ、機能の乏しさといった部分が「ゴルフらしくない」と断ぜられることとなったのだ。

今回の試乗車、フォルクスワーゲン ゴルフ eTSI アクティブ(左)とゴルフ ヴァリアント eTSI スタイル。
ピープルズカーの代名詞たるゴルフは、老若男女誰が乗ってもすぐに、容易に使いこなせるクルマでなければ。世間の期待が大きいからこそ、評価が厳しいものとなったのは事実だろう。
エントリーとなるeTSIアクティブのエンジンが1L直3ターボとなったことも、ユーザーを落胆させたようである。マイルドハイブリッドシステム(MHEV)を組み合わせるeTSIということもあり、動力性能には不足はなかったが、やはり3気筒はゴルフのユーザーには受け入れ難かった。昔ならばいざ知らず、今やゴルフは大衆車というポジションのクルマではないだけに、それも無理からぬことだろう。
加えて、フォルクスワーゲンが電動化に傾注するあまり、ゴルフというブランドにとって最大の功労者を蔑ろにしているかのように見えたことも、ファンの反感を買ったのではないかと私は見ている。ID.3の発表の際の、ゴルフの歴史はもうすぐ終わって、このクルマに引き継がれるという趣旨の説明には、私も大いに腹立たしく感じたものである。
最後の部分はともかくとして、新型ゴルフは向けられた批判に真摯に向き合い、開発されたのだと2月号でインタビューを行ったプロダクトマーケティングマネージャー、ミハエル・ブラウ氏は話してくれた。高性能なだけでなく、誰にとっても親しみやすく扱いやすい相棒のようなクルマ、そんな価値が改めて追求されたのだ。
