「ホットハッチ」という言葉があるとおり、コンパクトハッチバックにスポーツ性を求める声は今も昔も変わらずある。そんな需要に応えるかのようなスポーツ性と、MTゆえのクルマを操る感覚を味わわせてくれる国産車、ホンダ シビックRSとマツダ3 ファストバック Xツーリングを連れ出し、それぞれの愉しさを探求した。(Motor Magazine 2025年5月号より/文:島下泰久、写真:平野 陽、根本貴正)

パワースペックはほぼ同等でもエンジン特性は大きく異なる

デザインはいずれもスペシャルティ風。しかしながら、そのメソッドはまったく異なる。シビックは従来型に対してAピラーをキャビン側に引いて、相対的にノーズを長く見せるプロポーションを採る。全高も低く、おかげでいわゆるFFハッチバック感は薄い。

マツダ3は、大胆に面が移ろうボディサイドの抑揚がマツダ車らしいポイント。加えて、後半でなだらかに下がっていくルーフライン、そしてキックアップしたサイドウインドウなどによって、クーペライクに演出している。

今や室内空間重視ならばクロスオーバー/SUVがある。コダワリ派があえて選ぶ存在となりつつあるCセグメント車は、もはや後席居住性を最優先にしないのだ。

画像: マツダ3 ファストバック Xツーリング。今となっては珍しい、針を使ったアナログ式の三眼メーターは安定した視認性の高さがある。

マツダ3 ファストバック Xツーリング。今となっては珍しい、針を使ったアナログ式の三眼メーターは安定した視認性の高さがある。

実際にシビックのインテリアは、低くフラットなダッシュボードとキャビン側に寄せたAピラーにより視界が開けていて、前席はとても快適である。後席足元の広さは十分。ラゲッジスペースも大容量で、かつシートアレンジでワゴンのように使うこともできる。

足を踏み入れた瞬間から、良いモノ感にあふれているのがマツダ3のインテリアだ。全体が滑らかな曲面で覆われ、その多くがソフト素材とされた、まさにスペシャルティ感の強い空間である。

画像: ホンダ シビック RS。エアコンアウトレットの赤いフレーム加飾はRS専用の装備。このほかにもハンドルやシフトブーツのステッチなどに赤のアクセントカラーが配置されている。

ホンダ シビック RS。エアコンアウトレットの赤いフレーム加飾はRS専用の装備。このほかにもハンドルやシフトブーツのステッチなどに赤のアクセントカラーが配置されている。

後席は外観から想像するより狭くないが、サイドウインドウが小さいこともあり閉塞感は強め。ラゲッジスペースも、広さは十分にあるが開口部は小さい。このあたりは潔く割り切られている。

到達地点は同じようなところなのに、アプローチはまったく異なる。そんな2台の関係性は、パワートレーンにも現れている。シビックRSは最高出力182ps、最大トルク240Nmを発生する1.5Lターボユニット。慣性モーメントを30%低減した軽量シングルマスフライホイールや、シフトダウン時の回転数合わせを自動で行なうタイプR譲りのレブマッチシステムなどを採用する。

対するマツダ3のエンジンはスカイアクティブX。SPCCI(火花点火圧縮着火)を採り入れたガソリンエンジンである。排気量は2L。もっと排気量を大きくしたかったが、Cセグメントには不相応という理由で2Lに抑えられ、代わりにスーパーチャージャーを搭載。しかもMHEVシステムも備える複雑な構成だ。そのスペックは最高出力190ps、最大トルク240Nm。シビックRSと誤差レベルしか違わないというのが面白い。トランスミッションは6速MTのほかに6速ATも選べ、駆動方式は4WDだけとなる。

This article is a sponsored article by
''.