ボディフォルムを見直して、より走りを感じさせるエクステリアに
エクステリアは全体にわたって変更が行われている。基本はより強調されたワイド&ローフォルムと言っていいだろう。ボンネット形状は中央の盛り上がりとその両側からヘッドライトにつながる部分との段差が大きくなったことで、より大胆なフォルムとなった。また前後フェンダーのパネル変更によりボリューム感を増したのも特徴だ。
フロントビューは、新開発の小型軽量ランプユニットを搭載した薄型のヘッドランプの採用に加え、低く構えたグリル回りが際立つ。レクサスのブランドのアイコンであるスピンドルグリルのリデザインも行われた。サイドのキャラクターラインも低いグリルラインに合わせて下げ、重心の低さと走りの良さを表現している。
ちなみにボディパネルは製造工程から変更している。具体的には、内側から突き上げる成形を追加した「突き上げ工法」を採用し、シャープなキャラクターラインを実現。また、上下方向のプレスの動きに合わせて金型が横方向からスライドする機構を追加した緻密で立体的な造形を可能とする「寄絞り(よせしぼり)工法」を世界で初めて開発し採用。これによりラゲージスペース後端部のキャラクターラインの高精度でよりシャープな造形を実現している。
前後フェンダーの拡大により、装着タイヤサイズも変更になっており、よりワイド&大径サイズのタイヤを履く。タイヤサイズはフロントで235/40R19(従来225/40R18)、リアで265/35R19(同255/35R18)とホイールを1インチ、タイヤ幅を約10mm、タイヤ外径を約640mmから約670mmにアップした。
一般にタイヤ&ホイールを大径、幅広化した場合、バネ下重量増による乗り心地の悪化などを伴うことが多い。一方で、タイヤのグリップ性能やブレーキ性能が向上するメリットもある。新型レクサス ISではタイヤの大径化のメリットを享受するため、サスペンションチューニングで乗り心地向上を図っている。この辺は下山テストコースで煮詰めてきたところだろう。
ストッピングパワーもタイヤの大径化に頼るだけでなく、ブレーキディスクを大型化して強化した。新型では全車でフロント334mm(従来296mm)、リア297(同290mm)になっている。このサイズは従来のIS350とほぼ同等だ。